フィレンツェの中心街から車で1時間弱行ったところにある工場群の一角にスティールライン社はあります。

工場群の回りは非常に緑が多く、トスカーナ地方独特の美しい景色が楽しめます。

道を挟んだ反対側には、皆さんよくご存知のレザーフォーム社があります。
レザーフォーム社はスティールライン社から独立したメーカーだったそうですが、まもなくその歴史に終止符が打たれるそうです。
フィレンツェは非常に品質の高い革を生産している場所としても有名ですが、スティールライン社では革を製品に使用する前に、 革に傷が付いていないか、革に硬い部分がないかを専門スタッフによって厳しくチェックします。

問題とされた箇所には問題別に異なる色のテープでマーキングを行い、廃棄あるいは、手に触れることのない箇所へと使用されます。
革製品の品質を左右すると言っても過言ではない、縫製作業は全てスティールライン社工場内で行っています。
これにより縫製箇所の品質管理を徹底しています。

縫製作業はやはり女性の方が向いているようで、担当者は女性ばかりでした。
クッションカバーにを形良く、また効率よくウレタンフォームを詰めるために、専用の機械を用いています。

これにより品質にムラを出しません。
スティールライン社自慢の美しい溶接部分はスティールライン社の熟練工によって生み出されています。

スティールライン社製バルセロナチェアのあの美しいフレームの曲線も、彼らの熟練された技のお陰です。

工員の中でも一際平均年齢が高いのも頷けます。
検品を終えた後、スティールライン社のあるフィレンツェから日本へ向けて、2ヶ月弱の長い旅が始まります。